2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧
それからというもの、石上麻呂足は、「子安貝は取れたか」「子安貝はまだか」とひっきりなしに催促。でも、燕は、逆に人がいっぱい集まって来ちゃったから、警戒して巣に寄りつかなくなっちゃったのさ。その様子を聞いて麻呂足、「いや~、困った・・・どう…
さて「燕の子安貝」を持っていくことになった石上麻呂足は、家に仕えている男達に「燕が巣を作ったら、私に教えてくれないか」と命じたんだけど、それを聞いて、集まっていた男の中の一人が「それをどうするつもりなのですか?」と聞き返したんだって。それ…
それで、国の役人に言って、担架を作ってもらって、それに乗ってウンウン呻きながら家に帰ったんだけど、その話をどこからか聞きつけて、部下達が大伴大納言の家にみんな集まってきて、「竜の首の珠を取ってくることが出来なかったため、今まで、大納言様の…
すると、どうしたことか、突然、風が強くなり、辺り一面、真っ暗。その風に吹かれて船がどんどん沖の方に流されていって、どこに来たのかも分からなくなったところに、高い波がザバーンと船に打ちつけてきて、船の中にまで海水が入り込んでくるし、おまけに…
ところが、大伴大納言、連絡が来るのを昼も夜もずっと待ち続けていたんだけど、1年以上経っても、部下からは何の音沙汰も無し。それで、不安に思って、どういう状況になっているのか、こっそりと調べようと、お供は二人だけにして、自分は身分がバレないよ…
さて「竜の首の珠を取ってくるまで帰ってくるな」と言われた部下達、とりあえず、その命令に従おうと出かけようとしたところまではいいんだけど、もちろん、みんな竜の住んでいる所なんて全然分からない。それで「どっちに行ったらいいんだろう」と迷って、…
さて、大伴大納言は、と言うと、部下を全員集めて「いいか、みなよく聞け。皆の知っているあの竜のことだが、その竜の首には五色の珠がついているのだそうだ。そこで、それを取ってきた者には、何でも願いを叶えてやろうと思う。いいか、皆の者、今すぐ、そ…
すると、かぐや姫は「確かに綺麗な皮衣ですけど、でも『綺麗だから本物だと信用しなさい』って言うのは、やっぱり無理よ。本物だったら火に焼けないんだから、やっぱり実際に焼いてみないと納得できないわ。そこまでして、それで焼けなかったら、私も降参し…
それで、皮衣をかぐや姫の所に持っていくと、爺さんが出てきて、皮衣を受け取り、かぐや姫に見せたんだって。 かぐや姫は、その皮衣を見て「あら~、すごく綺麗な皮衣ね~」と割と気に入った様子。ただ、そのあと、すぐに「でも、これだけじゃ、本物かどうか…
ところが、その小野房守が火鼠の皮衣を手に入れて戻って来るという連絡が入ったものだから、阿倍御主人は、使用人に「走るのが速い馬をあらかじめ筑紫の方に連れて行くように」と命じて迎えに行かせたんだよね。すると、普通は2週間近くかかるところを、小…
右大臣阿倍御主人は、大金持ちでとても大きな家に住んでいる人だったんだって。それで、その年に中国から船でやって来ていた商人の王慶という人と仲良くなっていたから、王慶に「火鼠の皮衣というものを買ってきてくれないか」と手紙を書いて、使用人の中で…
また、かぐや姫は、訴え出てきた職人たちを呼んで「あなたたちのお陰で、本当に助かったわ~」と言って、ご褒美に金銭をたくさん与えると、職人たちは、「うわっ、こんなに貰ってもいいんですか?」と、予想以上の報酬にビックリ。みんなすごく喜んで帰って…
ところがね、庫持皇子と爺さんがそんな話をしていると、突然、6人の男達が庭に入ってきて、身分の高い人に差し出すようにと用意した木の枝につけた手紙を持ちながら、「私は、宮中の装飾の職人をしております、漢部内麻呂(あやべのうちまろ)と申します。…
そこで、山に船をもっと近づけて、2、3日、辺りの様子を見て回っていると、なんと天女の姿をした女の人が山の中から出てきたのさ。その人、銀で出来た入れ物で水を汲んで歩いていたから、私も船から下りて、その人に『この山は何という山ですか?』と聞い…
さて、結婚の準備をし終えて、爺さんがもう一度、蓬莱の玉の枝を持ってまじまじと見つめながら「それにしても、こんなに見事で美しい物を、いったいどこで見つけていらっしゃったんですか?」と庫持皇子に尋ねると、皇子はいかにも得意げに「そうそう、3年…
そうしているうちに、ついにかぐや姫の家の門を叩いて「庫持皇子様がいらっしゃいました」と皇子の従者が告げてきたので、その様子を見に行った家の者が「皇子様は、旅の姿のまま、門の外に立っていらっしゃいます」と爺さんに告げると、爺さんは、門まで迎…
一方、庫持皇子は策略家だったから、役所の方には「筑紫まで湯治に行ってきます」と休暇を願い出て、かぐや姫の方には「今から、蓬莱の玉の枝を取りに行ってきます」と手紙を書いて人に持たせ、九州の方に向かっていったのさ。でも、付き人達が全員見送りに…
さて、石造皇子は「こんな難題をふっかけてくるなんて、かぐや姫って、とんでもない女だな」とは思っても、「でも、すっごく美人だっていう話だし、こういうわがままな女を嫁にするのも悪くないじゃん」という気持ちの方が圧倒的に強くて、日が経つに連れて…
「それでは、かぐや姫に欲しい物を聞いてきますので、それまでしばしお待ちください」と言って、爺さん、かぐや姫のいる部屋に戻っていって「5人とも、おまえの言うとおりにすると言ってくれたよ。それで、おまえの欲しい物っていうのは、いったい何なんだ…
それで、その日の夕方、いつものように5人が集まってきて、それぞれが、かぐや姫の気を引こうと、笛を吹いたり、和歌を詠んだり、歌を歌ったり、口笛を吹いたり、扇をならしてリズムを取ったりしているところへ、爺さんが出ていって、「わざわざ、私たちの…
それでも、何とかして結婚させたい爺さんは、今までのようには引かずに「でもなあ~、愛情の深さの事ばかり考えてもしょうがないだろう。それに、そもそも、どんな気持ちの人なら、会ってくれるんだい? 私の見る限り、こんなに熱心に通ってきてくれているん…
それで、その様子を見ていて、さすがの爺さんも、この5人の事がだんだん可哀想になってきたし、それに、5人とも身分が高くて、結婚相手には申し分ないだろうと思って、かぐや姫に「私は、おまえの事を、家を裕福にしてくれた仏様のように思ったり、体から…
とにかく、この5人っていうのが、今までも「ちょっと美人の女がいるよ」なんていう噂を聞くと、あっちの女こっちの女と、どこにでも顔を出していたっていう話なんだよね。そこに「特別美人だ」という噂のかぐや姫でしょ。そうなると、5人とも、どうしても…
さてさて、こうやってかぐや姫の家の周りをウロウロしている男達の中には、どうしてもかぐや姫を見てみたいという思いが募りすぎて、まともな人なら「そんなことまでするの?」というような、とんでもない所にまで入っていったりしたんだけど、それでも、全…
そうやって、かぐや姫の事をみんなにお披露目したせいで、世の中の男たちは、身分の高い者も低い者も、みんな「かぐや姫をお嫁さんにしたい」「一目だけでも会ってみたい」と噂し会って、それを聞きつけた者が、かぐや姫の家の周りにどんどん人が集まってき…
さて、この竹取の爺さん、この赤ちゃんを見つけてからは、竹を取りに行くと、毎日毎日、黄金のいっぱい詰まった竹の節を見つけることが続いて、だんだんお金持ちになっていったんだって。 そして、この爺さんが見つけて来た赤ちゃんも、竹から生まれたせいか…
むか~し、むかし、あるところに「竹取の爺さん」という人がいたんだって。野山に入っていって、竹を取ってきてはいろんな物を作って、自分で使ったり売ったりしていたんだ。もちろん、竹細工などを売ったところで、そんなに収入が多いわけではなく、つつま…
竹取物語を「当時の人はどういう感覚で読んでいたか」という視点で見ると、どうやら、昔話のイメージとは全然違っていて、かぐや姫はツンツンしているし、周りによってくる男たちは間が抜けているし、竹取の翁にいたっては「下品なことを言わないでちょうだ…