ツンデレかぐやちゃん(竹取物語)

竹取物語を現代風に訳してみました

竹取物語を訳してみて(あとがき)

この竹取物語、原文の冒頭を見てもらえれば分かると思いますが「今は昔」で始まっていますよね。そして、冒頭が「今は昔」で始まるお話というと、有名なのはやはり「今昔物語」。この今昔物語は、書いてある内容がインドのお話をまとめた「天竺編」や日本の…

かぐや姫、月に帰ってしまう

その手紙に「このようにたくさんの人をこちらに送られて、月に行くのを引き留めようとしてくださったにも関わらず、それを許さぬ月の使者たちですから、ここから去っていかなければなりませぬが、その事を、とても悔しく、悲しく思っております。帝にお仕え…

かぐや姫、手紙を書く

すると、かぐや姫は、泣いている爺さんの所に近寄って「私が行きたいと思ってここを去っていく訳ではないのですから、せめて、微笑んで見送ってください」と言うと、爺さん、「こんな悲しい思いでいるのに、微笑んで見送ることなんか出来る訳がないだろうに…

ついに月の都の使者が来る

そんなことをしているうちに、夜もだんだん深まっていって、夜中の12時くらいになると、突然、家の周りが昼間よりも明るく光り輝き、まるで満月の明るさを10倍にしたくらい。その光で人の毛穴さえもハッキリ見えるようになったんだって。 すると、空から…

かぐや姫の話を聞いて、爺さん怒る

ところが、この屋根の人と爺さんの会話を聞いていたかぐや姫、「どんなに大勢の人で戦って守っても、どんな作戦を立てても、月の都の人と戦うことは出来ません。弓矢も射ることが出来ませんし、どんなに厳重にカギを掛けても、簡単に全部開いてしまいます。…

かぐや姫防衛軍、到着

このかぐや姫の噂を帝も聞いて、その話の真偽を確かめようと使いの者を遣わしたんだけど、爺さんがその使いの者に会ったとたん、その顔を見ただけで、ワンワン泣きわめき出したんだって。それで、そのときは、爺さんは50才くらいだったんだけど、あまりに…

ついにかぐや姫の素性が明らかに

そして、一ヶ月近く経った8月15日の数日前になって、この日ばかりは、かぐや姫、月を見ながら、人目をはばからず号泣。これを見て、さすがに爺さん、婆さんも「これは、いったいどうしたことなんだ」と騒ぎ立てる始末。かぐや姫も、さすがに、もう隠して…

かぐや姫 月を見て泣く

そんなふうにして、3年くらい、お互い文通をずっと続けていたんだけど、その年の春の始めあたりから、かぐや姫の様子が、ちょっと変わっていって、月が綺麗に出ているのを眺めては、何か考え事をするようになったんだよね。それをみて、「月を眺めているの…

帝、宮中に帰ってもかぐや姫のことばかり

すると、その元に戻った姿を見た帝、かぐや姫の美しさにメロメロ。こんなステキな女に会わせてくれた爺さんに感謝感激だったんだけど、その爺さんはどうしていたかと言うと、帝に同行してきた大勢の人たちのもてなしを、一生懸命していたんだって。 ただね、…

帝、爺さんと秘密の計画を練る

そして、しばらく思案していた帝は、「そう言えば、そなたの家は、山の麓近くであろう。それならば、狩りに行くふりをして、そなたの家の近くまでいって、そのときにかぐや姫に直接会ってみるというのはどうだ?」と言うと、爺さんも「おお、それは素晴らし…

帝の命令でもダメ

それで房子も、やむを得ず、一度戻って帝にその経緯を話すと、帝もそれを聞いて「そのような性根をしている女なら、死人が出るというのもの納得できるわ」と、一旦、かぐや姫の所に人を使わすのを止めたんだけど、でも「このままじゃ、私の方が負け、という…

帝、ついに動き出す

さて、そんなことをしているうちに「その辺の女なんて及びもしない、絶世の美女がいる」という噂は帝が耳にするまでにひろまってしまい、その話を聞いて、帝も「なんでも、多くの男が会いたい一心で、ついには身を破滅させてしまったという『かぐや姫』とい…

石上麻呂足、ついにあの世へ

それで、石上麻呂足、自分の取ってきたものが貝じゃないと分かって、酷く落ち込んで、完全に体から力が抜けてしまったんだって。おまけに、側にあった大きな箱の蓋を担架がわりにして、周りの人が運んでいこうとしたんだけど、麻呂足は全然体を動かすことが…

石上麻呂足、自分で籠に乗る

さて、夜になって食糧倉庫に来てみると、倉津麻呂の言うとおり、本当に燕が巣を作っていて、その巣の中でクルクル回っている燕がいるのが見えたから、麻呂足は、すぐに部下を籠に乗せ、その籠を上まで引っ張りあげて、巣の中に手を入れて子安貝を探させたん…

子安貝奪取作戦第二弾、開始

それからというもの、石上麻呂足は、「子安貝は取れたか」「子安貝はまだか」とひっきりなしに催促。でも、燕は、逆に人がいっぱい集まって来ちゃったから、警戒して巣に寄りつかなくなっちゃったのさ。その様子を聞いて麻呂足、「いや~、困った・・・どう…

石上麻呂足、子安貝奪取作戦開始

さて「燕の子安貝」を持っていくことになった石上麻呂足は、家に仕えている男達に「燕が巣を作ったら、私に教えてくれないか」と命じたんだけど、それを聞いて、集まっていた男の中の一人が「それをどうするつもりなのですか?」と聞き返したんだって。それ…

大納言、かぐや姫を人殺し呼ばわり

それで、国の役人に言って、担架を作ってもらって、それに乗ってウンウン呻きながら家に帰ったんだけど、その話をどこからか聞きつけて、部下達が大伴大納言の家にみんな集まってきて、「竜の首の珠を取ってくることが出来なかったため、今まで、大納言様の…

大納言、竜退治に失敗

すると、どうしたことか、突然、風が強くなり、辺り一面、真っ暗。その風に吹かれて船がどんどん沖の方に流されていって、どこに来たのかも分からなくなったところに、高い波がザバーンと船に打ちつけてきて、船の中にまで海水が入り込んでくるし、おまけに…

大納言、自ら竜退治に出かける

ところが、大伴大納言、連絡が来るのを昼も夜もずっと待ち続けていたんだけど、1年以上経っても、部下からは何の音沙汰も無し。それで、不安に思って、どういう状況になっているのか、こっそりと調べようと、お供は二人だけにして、自分は身分がバレないよ…

部下はサボるし、大納言は浮かれる

さて「竜の首の珠を取ってくるまで帰ってくるな」と言われた部下達、とりあえず、その命令に従おうと出かけようとしたところまではいいんだけど、もちろん、みんな竜の住んでいる所なんて全然分からない。それで「どっちに行ったらいいんだろう」と迷って、…

大伴大納言、部下に命じる

さて、大伴大納言は、と言うと、部下を全員集めて「いいか、みなよく聞け。皆の知っているあの竜のことだが、その竜の首には五色の珠がついているのだそうだ。そこで、それを取ってきた者には、何でも願いを叶えてやろうと思う。いいか、皆の者、今すぐ、そ…

火鼠の皮衣、灰になる

すると、かぐや姫は「確かに綺麗な皮衣ですけど、でも『綺麗だから本物だと信用しなさい』って言うのは、やっぱり無理よ。本物だったら火に焼けないんだから、やっぱり実際に焼いてみないと納得できないわ。そこまでして、それで焼けなかったら、私も降参し…

阿倍御主人、火鼠の皮衣をかぐや姫に見せる

それで、皮衣をかぐや姫の所に持っていくと、爺さんが出てきて、皮衣を受け取り、かぐや姫に見せたんだって。 かぐや姫は、その皮衣を見て「あら~、すごく綺麗な皮衣ね~」と割と気に入った様子。ただ、そのあと、すぐに「でも、これだけじゃ、本物かどうか…

阿倍御主人、火鼠の皮衣をゲット

ところが、その小野房守が火鼠の皮衣を手に入れて戻って来るという連絡が入ったものだから、阿倍御主人は、使用人に「走るのが速い馬をあらかじめ筑紫の方に連れて行くように」と命じて迎えに行かせたんだよね。すると、普通は2週間近くかかるところを、小…

金で勝負の阿倍御主人

右大臣阿倍御主人は、大金持ちでとても大きな家に住んでいる人だったんだって。それで、その年に中国から船でやって来ていた商人の王慶という人と仲良くなっていたから、王慶に「火鼠の皮衣というものを買ってきてくれないか」と手紙を書いて、使用人の中で…

庫持皇子、逆ギレ

また、かぐや姫は、訴え出てきた職人たちを呼んで「あなたたちのお陰で、本当に助かったわ~」と言って、ご褒美に金銭をたくさん与えると、職人たちは、「うわっ、こんなに貰ってもいいんですか?」と、予想以上の報酬にビックリ。みんなすごく喜んで帰って…

庫持皇子、嘘がバレる

ところがね、庫持皇子と爺さんがそんな話をしていると、突然、6人の男達が庭に入ってきて、身分の高い人に差し出すようにと用意した木の枝につけた手紙を持ちながら、「私は、宮中の装飾の職人をしております、漢部内麻呂(あやべのうちまろ)と申します。…

爺さん、嘘の冒険談に感動

そこで、山に船をもっと近づけて、2、3日、辺りの様子を見て回っていると、なんと天女の姿をした女の人が山の中から出てきたのさ。その人、銀で出来た入れ物で水を汲んで歩いていたから、私も船から下りて、その人に『この山は何という山ですか?』と聞い…

庫持皇子、嘘の冒険談を語る

さて、結婚の準備をし終えて、爺さんがもう一度、蓬莱の玉の枝を持ってまじまじと見つめながら「それにしても、こんなに見事で美しい物を、いったいどこで見つけていらっしゃったんですか?」と庫持皇子に尋ねると、皇子はいかにも得意げに「そうそう、3年…

爺さんもかぐや姫も、蓬莱の玉の枝を本物だと思ってしまう

そうしているうちに、ついにかぐや姫の家の門を叩いて「庫持皇子様がいらっしゃいました」と皇子の従者が告げてきたので、その様子を見に行った家の者が「皇子様は、旅の姿のまま、門の外に立っていらっしゃいます」と爺さんに告げると、爺さんは、門まで迎…