一方、庫持皇子は策略家だったから、役所の方には「筑紫まで湯治に行ってきます」と休暇を願い出て、かぐや姫の方には「今から、蓬莱の玉の枝を取りに行ってきます」と手紙を書いて人に持たせ、九州の方に向かっていったのさ。でも、付き人達が全員見送りに…
さて、石造皇子は「こんな難題をふっかけてくるなんて、かぐや姫って、とんでもない女だな」とは思っても、「でも、すっごく美人だっていう話だし、こういうわがままな女を嫁にするのも悪くないじゃん」という気持ちの方が圧倒的に強くて、日が経つに連れて…
「それでは、かぐや姫に欲しい物を聞いてきますので、それまでしばしお待ちください」と言って、爺さん、かぐや姫のいる部屋に戻っていって「5人とも、おまえの言うとおりにすると言ってくれたよ。それで、おまえの欲しい物っていうのは、いったい何なんだ…
それで、その日の夕方、いつものように5人が集まってきて、それぞれが、かぐや姫の気を引こうと、笛を吹いたり、和歌を詠んだり、歌を歌ったり、口笛を吹いたり、扇をならしてリズムを取ったりしているところへ、爺さんが出ていって、「わざわざ、私たちの…
それでも、何とかして結婚させたい爺さんは、今までのようには引かずに「でもなあ~、愛情の深さの事ばかり考えてもしょうがないだろう。それに、そもそも、どんな気持ちの人なら、会ってくれるんだい? 私の見る限り、こんなに熱心に通ってきてくれているん…
それで、その様子を見ていて、さすがの爺さんも、この5人の事がだんだん可哀想になってきたし、それに、5人とも身分が高くて、結婚相手には申し分ないだろうと思って、かぐや姫に「私は、おまえの事を、家を裕福にしてくれた仏様のように思ったり、体から…
とにかく、この5人っていうのが、今までも「ちょっと美人の女がいるよ」なんていう噂を聞くと、あっちの女こっちの女と、どこにでも顔を出していたっていう話なんだよね。そこに「特別美人だ」という噂のかぐや姫でしょ。そうなると、5人とも、どうしても…
さてさて、こうやってかぐや姫の家の周りをウロウロしている男達の中には、どうしてもかぐや姫を見てみたいという思いが募りすぎて、まともな人なら「そんなことまでするの?」というような、とんでもない所にまで入っていったりしたんだけど、それでも、全…
そうやって、かぐや姫の事をみんなにお披露目したせいで、世の中の男たちは、身分の高い者も低い者も、みんな「かぐや姫をお嫁さんにしたい」「一目だけでも会ってみたい」と噂し会って、それを聞きつけた者が、かぐや姫の家の周りにどんどん人が集まってき…
さて、この竹取の爺さん、この赤ちゃんを見つけてからは、竹を取りに行くと、毎日毎日、黄金のいっぱい詰まった竹の節を見つけることが続いて、だんだんお金持ちになっていったんだって。 そして、この爺さんが見つけて来た赤ちゃんも、竹から生まれたせいか…
むか~し、むかし、あるところに「竹取の爺さん」という人がいたんだって。野山に入っていって、竹を取ってきてはいろんな物を作って、自分で使ったり売ったりしていたんだ。もちろん、竹細工などを売ったところで、そんなに収入が多いわけではなく、つつま…
竹取物語を「当時の人はどういう感覚で読んでいたか」という視点で見ると、どうやら、昔話のイメージとは全然違っていて、かぐや姫はツンツンしているし、周りによってくる男たちは間が抜けているし、竹取の翁にいたっては「下品なことを言わないでちょうだ…